これまで自分が行ったアルバイトの中で、最も楽だったのはゴミ箱の見張りです。
これは大きな花火大会が開催されていたときに臨時で募集された仕事でした。
仕事内容は用意された三種類のゴミ箱に、花火の観覧者がゴミを分別して捨ててくれるよう促すというものでした。花火大会が始まる数時間前からゴミ箱の前に待機し、ゴミを捨てに来る人に分別を促していましたが、多くの人は分別に関する決まりを理解しており、こちらが何もいわなくてもルールを守ってくれます。
いざ花火が始まるとみなそれを見ることに夢中であるために、ゴミを捨てに来る人はほとんどいませんでした。そして自分も花火を見ることができ、仕事をしているというよりも花火観覧者の一人であるかのような感じでした。花火大会が終わる頃、徐々に人がゴミ箱を訪れるようになります。
そして花火大会の終了の合図と共に、人が一気に押し寄せました。
分別は守ってくれるものの、とにかく小さなゴミ箱にたくさんのゴミが次々と投げ込まれていくために、ゴミでいっぱいになったゴミ袋を交換するのが大変でした。
また露店で販売されていた焼き鳥を購入し、食べ終わった串をビニール袋に入れてそれをゴミ箱に投げ込む人が多くいました。しかしゴミ箱にそれが上手く入らないこともあり、そのようなものは自分が拾ってゴミ箱に入れなければなりませんでした。
そのため手は油でベトベトでした。
しかし忙しかったのもこの一瞬で、全体的には非常に楽だったアルバイトでした。